悲しい現実
事務所に行く通り道沿いにゴールデンを飼っているお宅がある。
新築建売住宅で、今年になって住み始めた一家である。
そこのゴールデンは、通りに面した小さな犬小屋で飼われている。
通りは交通量が多く、精神的に落ち着かないのではないかと心配であり、また排気ガスによって空気が悪いことも心配である。
その道を通る時にいつも気になって見てみるのだが、そのゴールデンはいつもそこにつながれていて、犬小屋の外で、ガレージとの境目にあるブロックに顎を乗っけて寝ている。
さて、梅雨が明けた途端に猛烈な暑さ。
私たちはすぐにそのゴールデンのことが気になった。
この暑さの中でも同じ状況でいるのだろうか・・・。
繋がれている犬小屋のある場所は、南側なのでカンカン照りな場所である。
犬小屋は、ゴールデンのハウスにはふさわしくないとても小さな物であり、その中は蒸し風呂状態に違いない。
かと言って外に出れば灼熱地獄であり、地面の温度も相当に高くなっているはずだ。
そんな環境の中にいたら、熱射病によって死に至ってしまうかもしれない。
あまりにも心配だったので、私たちは手紙を書き、夫がそのお宅に行ってそこの奥さんに手紙を渡してきた。
手紙には「この環境では熱射病になってしまうので、環境を良くしてほしい。もしそれができないのならば、愛犬家にそのゴールデンを託したらどうでしょうか」といった内容。
それは、そのお宅でもしちゃんと飼う気がなく「そんな文句を言うんだったらお宅で飼ってくれる?」などと言われた時にはわが家で引き取ろうという覚悟があることを意味していたのだが・・・。
小さな子供が3人いるそこのお宅の奥さんは、怪訝そうな顔をして手紙を受け取ったそうだ。
もちろん手紙には、名前も電話番号も記載しておいた。
手紙を託した翌日、状況は何も変わっていなかった。
昨日はものすごい暑さ。
その猛烈な暑さの中、そのゴールデンは、ぐったりと横たわっていたそうだ。
そして今日も猛烈な暑さとカンカン照りの日差し。
せめてヨシズなどで日陰を作ってほしい。
あるいは夏場だけ玄関の中に入れるとかしてほしい。
あるいは、夏場だけ北側方面に犬小屋を移動してほしい。
この思いがそのお宅の住人には伝わらないというもどかしさ。
「どういう風に飼おうと勝手でしょ」と思っているのだろうか。
今年その家に引っ越す前はどういう環境でそのゴールデンを飼っていたのだろうか。
今と同じ環境だったから大丈夫だと思っているのだろうか。
私たちが行なった行為はおせっかい?
もうこれ以上口や手は出してはいけないのだろうか・・・
あの環境下におかれているゴールデンのことを思うと本当に心が痛む。
ゴールデンに限らず、どんなワンコでもあの環境下では地獄である。
明らかに動物虐待だと思う。
何とか救済の手を差し伸べる手立てはないものだろうか。
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